歴史をひもとき、戦争の進化の跡に分け入り、破壊と殺戮によって何が得られたかを知り、そこから教訓、知恵、活力を引き出すことは大変重要なことである。とりわけ知る必要のあること、それは戦争という名の人間の行為が何であったかについての理解ではないだろうか。 古代から現代まで、国家関係の最終決着の在り方が、同じ戦争という言葉でくくれるような社会現象でありつづけているのか、それとも技術発達や国際環境変化による「突然変異」のせいで、まったく違う性格の破滅的な暴力になってしまったのか、そのあたりをよく理解することは大切である。そうでないと、知らず知らずのうちに、「よい戦争」に賛成させられたり、ありきたり常識に説得されるままに「人間の本能」や「社会の必然」を根拠に戦争を受け入れることになりかねない。 又、戦争という問題解決方式から離れる、つまり戦争をなくす努力がいかに連綿とつづいてきたかを知っておくことも、これからの「戦争と平和」を考えていくとき、欠かせない視点である。戦争が人間の歴史とともにあったのも事実ながら、同時に、戦争を非合法化し、核兵器の廃絶を訴え、各国の軍備廃止にむけた真剣な努力もまた、目立たないとはいえ、ずっと継続されてきた。例えば、「ひとつのヨーロッパ」を目指すCSCE(全欧安保協カ条約)(註@)とCFE(ヨーロッパ通常戦力削減条約)(註A)に、その希望実現への足取りを読み取ることができる。又、国連による集団安全保障の考えも、核兵器全廃と各国の軍備廃絶がなされて初めて成り立つものであることはいうまでもない。 以上のような問題意識を持って、まず「戦争の歴史」を簡単に振り返り、そのうえで「何故、戦争は起きるのか」という問いに対する自説を主張し、生意気とは思ったが北朝鮮に対する「べき論」を、評論家風に展開させてもらった。 |
序章 学問とは自発的行為である 学問とは自己満足の世界である 学問的行為者の学問的行為 学問は必ずしも社会の役に立たないのは当然 私的空間と公的空間をつなぐ方法−論文− 序章での引用文献・参考文献 第T章 何故、日本の物価は世界と比べて高いのか(経済学) (1)はじめに (2)為替レートの変化 (3)内外価格差の現実 (4)むすび 第T章での引用文献・参考文献 第U章 何故、戦争は起こるのか(国際政治学) (1)はじめに (2)戦争の歴史 (3)経済的要因からみる戦争の出現 (4)生物学的要因からみる戦争の出現 (5)何故、戦争は起きるのか (6)経済制裁で、北朝鮮を追いつめてはいけない (7)むすび 第U章での引用文献・参考文献 第V章 何故、男は女を愛し、女は男を愛するのか(大脳生理学) (1)はじめに (2)男が女を愛し、女が男を愛する理由 (3)男と女の関係を決める要素は何か (4)男と女のつりあった関係 (5)むすび 第V章での引用文献・参考文献 終章、あとがき |