学問が、自らの知的欲求や使命感を満足させるために自発的に行う行為である、ということは先ほどふれた通りである。では、そうした行為によって導き出された結論や結果が、「満足のいくものかどうか」を、誰がどうのように判断するのであろうか。
自らの知的欲求や使命感を満たすために自発的に行われた行為によって導き出された結論や結果が、満足のいくものかどうかを判断する人物として、「自分自身」があげられる。
たしかに、「わからないことを理解したい」や「他人を幸福にしたい」という知的欲求や使命感が達成されたかどうかを判断するものとして、他人の評価があげられることは事実である。しかしながら、あくまでも「他人の評価」は、本人が最終的判断を下す時の一つの材料でしかすぎない。つまり、満足のいくものかどうかを最終的に判断するのは、他ならない自分自身である。
要するに、自らの知的欲求や使命感を満足させるために自発的に行う行為が学問である以上、そこから得られた結論や結果に満足するかどうかは自分で判断するわけである。
例えば、学問によって得られた結論や結果が他人にとっては不本意なものであっても、本人が他人の評価を一切気にしなければ、「満足のいく結論・結果」として、判断するわけである。このような状況は何を物語っているのであろうか。
このことから言えることは、「学問とは自ら問題提起をして、自らの判断によって満足を得ようとする作業」といえる。つまり、学問の行き着く先は、自己満足の世界ともいえる。
以上のことから、「学問とは自らの知的欲求や使命感を満足させるために自発的に行う行為であるとともに、自己満足の世界である」ともいえる。 |
序章 学問とは自発的行為である 学問とは自己満足の世界である 学問的行為者の学問的行為 学問は必ずしも社会の役に立たないのは当然 私的空間と公的空間をつなぐ方法−論文− 序章での引用文献・参考文献 第T章 何故、日本の物価は世界と比べて高いのか(経済学) (1)はじめに (2)為替レートの変化 (3)内外価格差の現実 (4)むすび 第T章での引用文献・参考文献 第U章 何故、戦争は起こるのか(国際政治学) (1)はじめに (2)戦争の歴史 (3)経済的要因からみる戦争の出現 (4)生物学的要因からみる戦争の出現 (5)何故、戦争は起きるのか (6)経済制裁で、北朝鮮を追いつめてはいけない (7)むすび 第U章での引用文献・参考文献 第V章 何故、男は女を愛し、女は男を愛するのか(大脳生理学) (1)はじめに (2)男が女を愛し、女が男を愛する理由 (3)男と女の関係を決める要素は何か (4)男と女のつりあった関係 (5)むすび 第V章での引用文献・参考文献 終章、あとがき |