中国経済の書籍について
開発経済、比較体制と農業経済の3つの視座
内田真人
2000年2月
はじめに
これまで参照した中国経済に関する書籍を研究テーマ に照らして一覧にしました。
教科書に相当するような書籍は、開発経済を赤 、比較体制を青 、農業経済を緑 にしました。また便宜上「専門書」と「一般書」に分類しました。「専門書」と「一般書」の違いは、あくまで主観です。
末尾に「*」があるものは、入手したが未読の書籍です。英語と中国語の書籍に多いです。
太字は注目している書籍です。また、お勧めの書籍は[Amazon ]にリンクしておいたので、ぜひ一読ください。
専門書
中兼和津次(1999)『中国経済発展論』有斐閣 。[Amazon ]
石南國(1999)『人口論---歴史・理論・統計・政策 増補版』創成社。
丸川知雄(1999)『市場発生のダイナミクス---移行期の中国経済』アジア経済研究所。[Amazon ]
山形辰史編(1998)『やさしい開発経済学』アジア経済研究所 。[Amazon ]
J.E.コーエン(1998)『新「人口論」生態学的アプローチ』農山漁村文化協会。
金子洋三他編(1998)『中国農業の課題---食糧流通を中心として』国際協力事業団。
栗林純夫、高橋宏(1998)『中国における持続的成長の可能性』人と文化社。
河地重蔵、藤本昭、上野秀夫(1998)『中国経済と東アジア圏』世界思想社。
マイケル・P・トダロ著、OCDI開発経済研究会訳(1998)『M・トダロの開発経済学』国際協力出版会 。[Amazon ]
大野健一、桜井宏二郎(1997)『東アジアの開発経済学』有斐閣 。[Amazon ]
土屋圭造(1997)『農業経済学 五訂版』東洋経済新報社 。
馬洪 主編(1997)『中国市場発展報告1997』中国発展出版社。
中兼和津次(1997)『改革以後の中国農村社会と経済---日中共同調査による実態分析』筑波書房。
渡辺利夫(1996)『開発経済学---経済学と現代アジア 第2版』日本評論社 。[Amazon ]
石川滋編(1996)『中国の改革開放経済の成果---問題点と今後の課題』国際金融情報センター。
石川滋編(1996)『開発協力政策の理論的研究』アジア経済研究所 。
益田萬孝(1996)『国際農業開発論』農林統計協会 。
田島俊雄(1996)『中国農業の構造と変動』お茶の水書房。
速水佑次郎(1995)『開発経済学---諸国民の貧困と富』創文社 。[Amazon ]
小島麗逸、若代直哉(1996)『1995年の中国農業---主食問題から飼料問題への移行』日中経済協会。
石井正巳 編(1996)『中国政治経済動向 ASEAN華人資本と中国経済---アジア経済フロンティアの拡大』日中経済協会。
大塚啓二郎、劉徳強、村上直樹(1995)『中国のミクロ経済改革---企業と市場の数量分析』日本経済新聞社。
張紀潯(1995)『中国経済のフロンティア』名著刊行会。
加藤弘之編(1995)『中国の農村発展と市場化』世界思想社。
栗林純夫、高橋宏、菱田雅晴(1994)『中国の経済社会発展---成長制約要因の克服は可能か』人と文化社。 [Amazon ]
溝口敏行、松田芳郎、王恵玲、怦ァ谷(1994)『中日統計調査比較研究』 復旦大学出版社。*
Kazushi Ohkawa, Katsuo Otsuka(1994)Technology Diffusion, Productivity Employment, and Phase Shifts in Developing Economies , University of Tokyo Press.*
七戸長生編(1994)『日中比較による農村の貧困状況からの脱却方策に関する共同調査研究』科学研究費補助金研究成果報告書。
西口清勝(1993)『アジアの経済発展と開発経済学』法律文化社 。
The World Bank(1993)The East Asian Miracle---Economic Growth and Public Policy , Oxford University Press .*
石川滋著、胡欣欣他訳(1992)『発展経済学的基本問題』経済科学出版社 。 *
小島麗逸、若代直哉(1992)『1991年の中国農業』日中経済協会。
小島麗逸、若代直哉(1991)『1990年の中国農業』日中経済協会。
鄭樹清(1991)『社会主義市場理論研究』三環出版社 。*
雍文遠 主編、李鴻江、袁恩禎(1990)『社会主義政治経済学再探索 双重運行機制論』上海人民出版社 。*
石川滋(1990)『開発経済学の基本問題』岩波書店 。 [Amazon ]
小島麗逸、若代直哉(1990)『1989年の中国農業』日中経済協会。
石川滋他編(1990)『アジア型経済発展・構造調整』国際金融情報センター。
山内一男編(1989)『岩波講座 現代中国 第2巻 中国経済の転換』岩波書店。
小宮隆太郎(1989)『現代中国経済:日中の比較考察』東京大学出版会。
小島麗逸、若代直哉(1989)『1988年の中国農業』日中経済協会。
石川滋著、胡欣欣、沈希紅他訳(1988)『中国経済的中長期展望』経済科学出版社。 *
速水佑次郎編(1988)『農業発展における市場メカニズムの再検討』アジア経済研究所 。
小島麗逸、若代直哉(1988)『1987年の中国農業』日中経済協会。
小島麗逸、若代直哉(1987)『1986年の中国農業』日中経済協会。
松田芳郎(1987)『中国経済統計方法論---変容と現状』アジア経済研究所。
小島麗逸、若代直哉(1986)『1985年の中国農業』日中経済協会。
小林弘二編(1986)『旧中国農村再考---変革の起点を問う』アジア経済研究所。
速水佑次郎(1986)『農業経済論』岩波書店 。
J. ロビンソン著、西川潤訳(1986)『開発と低開発』岩波現代選書 。
小島麗逸、若代直哉(1985)『1984年の中国農業』日中経済協会。
劉詩白(1985)『社会主義所有制研究』上海人民出版社 。*
馬洪著、張風波訳(1985)『中国経済発展の新戦略』有斐閣選書。
ON KIT TAM(1985)China's Agricultural Modernization The Socialist Mechanization Scheme , University of New South Wales.*
永井道雄編(1984)『非西洋社会における開発』国際連合大学 。
山崎清、林吉郎(1984)『国際テクノ戦略---「後発性の利益」を超えて』有斐閣。
山本秀夫、小島麗逸(1984)『人民公社解体下の中国農業と農業協力』日中経済協会。
石川滋編(1984)『中国経済の中長期展望』日中経済協会。
Neville Maxwell, Bruce mcFarlane(1984)China's Changed Road to Development , Pergamon Press.*
石川滋(1984)『中国の国民所得と資本形成』日中経済協会。
Ma Hong(1983)New Strategy for China's Economy , New World Press.*
Randolph Barker, Radha Sinha, Beth Rose(1982)The Chinese Agricultural Economy , Cornell University.*
Willy Kraus(1982)Economic Development and Social Change in the People's Republic of China , Springer-Verlag.*
Xu Dixin & Others(1982)China's Search for Economic Growth The Chinese Economy Since 1949 , New World Press.*
石川滋、山内一男編(1982)『中国の現状と成長力』日中経済協会。
斉藤優編(1982)『南北問題---開発と平和の政治経済学』有斐閣 。
T.W.シュルツ著、土屋圭造監訳(1981)『貧困の経済学』東洋経済新報社 。
M.P.Todaro(1981)Economic Development in the Third World Second Edition , Longman. *
Shigeru ISHIKAWA (1981)Essays on Technology, Employment and Institutions in Economic Development --- Comparative Asian Experience , Hitotsubashi University. *
海外調査部中国チーム(1981)『中国の工場と農村---帰国者との面談記録』日本貿易振興会海外経済情報センター。
馬洪、孫尚清 主編(1981)『中国経済結構問題研究 下』人民出版社。*
劉福園、唐功烈、羅力行 主編(1980)『中国社会主義商業経済』中国人民出版社 。*
W.W.ロストウ著、坂本二郎、足立文彦訳(1980)『二十一世紀への出発---ケインズ経済学を超えて』ダイヤモンド社。
Richard Baum(1980)China's Four Modernizations The New Technological Revolution , Westview Press Inc..*
山本秀夫、小島麗逸(1979)『中国農業の地域構造』日中経済協会。
鳥居康彦(1979)『経済発展理論』東洋経済新報社 。
J.N.バグワッティ著、石川滋編訳(1979)『経済学と世界秩序---世界秩序モデルの構想』岩波書店。
松井謙(1977)『第三世界の開発と金融』新評論 。
岡川千勝他(1977)『食糧問題の体系化に関する研究』政策科学研究所。
大礒敏雄他(1977)『栄養確保の面から見た食糧の将来計画に関する研究』総合研究開発機構食糧栄養調査会。
Ingrid Palmer(1976)The New Rice in Asia: conclusions from four country studies , United Nations Research Institute for Social Development.*
W.エルカン著、渡辺利夫、高梨和紘、小島真、高橋宏訳(1976)『開発経済学』文眞堂 。
Ingrid Palmer(1975)The New Rice in the Philippines: Studies on the Green Revolution , United Nations Research Institute for Social Development.*
斉藤一夫(1974)『米穀経済と経済発展---アジアの米作国の経済発展に関する研究』大明堂。
斉藤一夫編(1974)『アジア・アフリカ文献解題5 緑の革命』アジア経済研究所。
熊代幸雄、河地重蔵(1974)『中国農業の基礎事情』日中経済協会。
斉藤一夫編(1972)『緑の革命とアジア農業』アジア経済研究所。
石川滋編(1971)『中国経済の長期展望W上下』アジア経済研究所。
石川滋 編(1971)『中国経済の新しい動向』アジア政経学会。
山岡喜久男編(1971)『アジア開発のメカニズム---工業編』アジア経済研究所。
食糧研究会(1971)『グリーン・レボリューションに関する研究』アジア経済研究所。
朝日新聞中国・アジア調査会(1970)『中国の教育革命』。
Shigeru ISHIKAWA (1970)Agricultural Development Strategies in Asia --- Case Studies of the Philippines and Thailand , The Asian Development Bank. *
枝広幹造編(1970)『アジア太平洋地域の食糧問題---日本との関連における需給の展望』アジア経済研究所。
C.P.キンドゥルバーガー著、坂本二郎、加野英資、菅宣雄訳(1969)『経済発展論 上下』好学社 。
大野盛雄編(1969)『アジアの農村』東京大学出版会。
石川滋編(1968)『中国農業の長期展望』アジア経済研究所。
川村嘉夫編(1968)『中国の土地改革関係法令集』アジア経済研究所。
荒川英、矢野誠也編(1968)『アジア諸国の経済成長と開発計画 上下』アジア経済研究所。
Lawrence Klein, Kazushi OHKAWA(1968)Economic Growth---The Japanese Experience Since the Meiji Era , Economic Growth Center Yale University.*
石川滋編(1967)『日本と中国の勤労者世帯における消費水準の比較』アジア経済研究所。
Shigeru ISHIKAWA (1967)Economic Development in Asian Perspective , Hitotsubashi University. *
エンゲルス著、大内兵衛訳(1966)『空想より科学へ---社会主義の発展』岩波文庫 。
社会主義研究所編(1966)『毛沢東語録(完訳日本語版)』宮川書房 。
W.E.G.サルター、W.B.レダウェイ著、黒澤一清訳(1966)『生産性と技術進歩』好学社。
C.P.Kidolebergaer(1964)Economic Growth in France and Britain 1851--1950 , Harbard University Press.*
G.M.マイヤー著、麻田四郎、山宮不二人訳(1963)『国際貿易と経済発展』ダイヤモンド社 。
マルサス著、高野岩三郎、大内兵衛訳(1962)『初版 人口の原理 改版』岩波文庫。
A.O.ハーシュマン著、小島清監修、麻田四郎訳(1961)『経済発展の戦略』巌松堂出版 。
石川滋(1960)『中国の資本蓄積機構』岩波書店 。
R.L.ミーク著、山田秀雄、水田洋訳(1958)『マルクス経済学の展開』紀伊国屋書店 。
レーニン著、宇高基輔訳(1956)『帝国主義』岩波文庫 。
ソ同盟科学院経済学研究所著、マルクス・レーニン主義普及協会訳(1955)『経済学教科書 第一分冊』合同出版社 。
リカード著、堀経夫訳(1954)『経済学及び課税の原理』雄松堂書店。
マルクス、エンゲルス著、大内兵衛、向坂逸郎訳(1951)『マルクス エンゲルス 共産党宣言』岩波文庫 。
一般書
小島麗逸(1997)『現代中国の経済』岩波新書。 [Amazon ]
日本興業銀行調査部・産業調査部編(1997)『中国2001年の産業・経済』東洋経済新報社。
日本経済新聞社(1996)『ベーシック アジア経済入門 第2版』日経文庫。
田畑光永(1995)『トウ小平の遺産---離心・流動の中国』岩波新書。
さくら総合研究所環太平洋研究センター(1994)『新世紀へのアジア発展のシナリオ---複眼でみた2001年のアジア11か国』ダイヤモンド社。
楊威理(1994)『豚と対話ができたころ 文革から天安門事件へ』岩波書店。
渡辺利夫編(1994)『アジア経済読本』東洋経済新報社。
上田高史他編(1993)『別冊宝島EX 英雄たちのアジア』JICC出版局。
廣松渉(1990)『今こそマルクスを読み返す』講談社現代新書 。
加地伸行(1990)『儒教とは何か』中公新書。
稲垣清(1988)『[図説]中国の投資環境---NICsを超えられるか?』蒼蒼社。
石川滋、内田忠夫、宇沢弘文「最近の中国経済を見て」宇沢弘文編(1987)『現代経済学への反省---対談集』岩波書店。
安藤正士、太田勝洪、辻康吾(1986)『文化大革命と現代中国』岩波新書。
渡辺利夫(1985)『成長のアジア 停滞のアジア』東洋経済新報社。
嶋倉民生、丸山伸郎(1983)『中国経済のディレンマ』有斐閣。
渡辺利夫、梶原弘和(1983)『アジア水平分業の時代』日本貿易振興会。
大島清(1981)『食糧と農業を考える』岩波新書 。
岡部達味(1981)『中国は近代化できるか』日本経済新聞社。
尾上悦三(1980)『中国経済入門』東洋経済新報社。
山本市朗(1980)『北京三十五年 上下』岩波新書。
西条正(1980)『二つの祖国をもつ私---ハルビンから帰って十五年』中公新書。
秋山良照(1977)『中国土地改革体験記』中公新書。
石川滋「中国の農業」朝日新聞社編(1973)『地球は満員』朝日新聞社。
大島清(1970)『米と牛乳の経済学』岩波新書 。
向坂逸郎(1964)『資本論入門』岩波新書 。
岩村三千夫、野原四郎(1964)『中国現代史[改訂版]』岩波新書。
福地いま(1954)『私は中國の地主だった---土地改革の体験』岩波新書。
おわりに
上記を整理すると中国経済の研究のために一般書も含めて約140冊参照したことになります。参照論文 は60本ほどなので、これまでは主に中国経済の基本知識を学習していたことになります。また学習内容は開発経済論が中心であることも分かります。
ここには明記していませんが、経済学は主流派であるいわゆる近代経済学(ミクロ経済学とマクロ経済学)を中心に学びました。そのため、社会主義の経済理論に関してはまだまだ勉強不足です。今後の課題とします。
それから、農業経済についても教科書的な入門書を読んだ程度です。大川一司 、土屋圭造 と速水佑次郎 の本は、今後ともよく学習します。またTEA の研究にも注目していきます。
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