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内田2008は、香港の新聞記事に触発されて書いたエッセーです。中国経済を研究する”枠組(Framework)”は、経済学だけでも「新古典派経済学」や「マルクス経済学」があります。ここでは、「開発経済学」で鄧小平を論じ、中国の「輸出志向工業化政策」(いわゆる「改革開放」政策)に転機が来ていることを指摘しています。
内田1997は、アジア経済の楽観論が大勢を占めた当時の新聞や雑誌を意識して書きました。政治経済学を”物差し”にしたアジア経済の悲観論です。「アジアNIEs」(韓国、台湾、香港、シンガポール)は、1970年代に「輸出志向工業化政策」で経済発展を始め、中国のいわゆる「改革開放」政策にモデルを提供しました。しかし、政治経済学から「輸出志向工業化政策」の背後には、「古典派経済学」の自由放任主義へのドグマがあると批判されていることも忘れてはなりません。
内田2010は、中国経済に関する教材の試作です。中国経済の学習と研究の成果を初心者でも理解できるように再編集します。開発経済論の”枠組”で専門用語を整理していきます。ネットユーザーは多様なので、読者を想定するのは容易ではありませんが、駐在員や社会人のニーズを想定し、アクセス履歴を参考にしながら、加筆修正をします。
内田1998は、日本人の”物差し”で中国経済を特殊とする論調が少なくなかったので、それに対する反論として「工業化政策」、「W.W.ロストウの離陸」、「二重経済発展モデル」及び「停滞メカニズム(貧困の罠)」を”物差し”にしました。これら「開発経済学」の概念を使って中国経済の特殊性を論じています。
内田2000は、「ミクロ経済学」で中国の食糧不足を論じています。いわゆるT.W.シュルツの「食料問題(Food Problem)」は、一言で言えば農業部門への投資不足ですが、中国の食糧不足は、それに加えて計画経済で食糧価格が上限規制を受けたことによって引き起こされた「複合食糧不足」だった可能性があると結論しています。残された課題として「影の価格」や農業の生産技術の測定問題があります。
内田2002は、「マクロ経済学」で「グローバリゼイション」を考察しています。中国の大学院生が政治経済学で議論していたので、それに対する反論として経済学の”枠組”の中で検討されるべき問題がたくさんあると感じました。
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