私は深圳に居住しており、深圳政府の防疫対策を見聞しました。生活に大きな影響があった地下鉄とタクシーに対する防疫対策も併せてここでご紹介します。日本各地の防疫対策に何らかの参考になればうれしいです。
昨日(1月23日)所用で地下鉄羅湖駅を利用した際に荷物検査だけでなく、おでこに機器を当てるだけで瞬時に体温を計測できる機器にて検温をされました。
昨日は、地下鉄の福田口岸駅と羅湖駅を利用しましたが、検温をしていたのは羅湖駅だけでした。香港と接続している福田口岸駅は、チェックポイント(中国語で口岸)なので、香港から来る人は既に体温計測機器がチェックポイントに設置されています。
一方、羅湖駅は香港とも接続しているのですが、隣接する東莞市、広東省省都の広州市とも接続しており、深セン市にとって大きな玄関口の1つです。
ここからは推測ですが、おそらく深圳市当局としても水際作戦として何とか中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスの拡散を防ごうとしているのだと思います。広州在住の日本人の方からの微信情報によれば、広州市でも昨日地下鉄乗車時に検温をされたとのことでした。昨日午前10時に武漢市の交通遮断(中国語で封城)が実施されたことを受けてからの行動であるならば、広州市も深圳市もこれまでにないくらいの迅速な対応であり、当局の問題対応への緊張感が伝わってくるようでもあります。
ちなみに春節は嫁さんとも相談して、基本的に自宅にて状況の推移を見守ることとなりました。本日は中国の大晦日(中国語で除夕)なので、嫁さんと朝から1週間分の食料の買い出し、大掃除の総仕上げと大晦日のご馳走作りでバタバタしていました。今は、一休みしているとことですが、何とか中国式のお正月を迎えられそうです!
追伸:写真はこの文章を書いている際に日本の外務省から受信したメールです。現地の領事館に「在留届」を出しているのでメールが配信されました。
(中国在住)外国人は情報弱者になっています。
新型肺炎の情報は圧倒的に中国語が多く、日本語を含む外国語はわずかです。
私は嫁が中国人で、中国在住20年ですが、それでも上記の(1)だと自覚しています。
感染症との戦いは、時間の問題でもあり、速く、正確に、分かりやすく情報を伝達する必要があります。
自分自身も十分な情報があるわけではありませんが、できる限り日本語と中国語で【見聞】や【共有】の情報発信をします。
ちなみに写真は1月下旬には貼られていたように記憶しますが、居住マンションに張り出されている啓蒙ポスターです。
小さいですが、英語併記があります。
但し、第2項目で「マスク着用(Wear a mask)」があり、「医療用マスク(Medical masks)」を推奨しています。
今回のまとめ:非常時ですが、深圳当局は外国人の方々にも早く、正確に情報発信しようと努力しています。
微力ですが、できる範囲で日本人の方々への情報配信をお手伝いする所存です。
写真は昨日(2月29日)香港から深圳に移動した方から提供してもらいました。ポイントは下記の3点です。
約1週間自宅で文字通り一歩も外に出ない自己隔離をしました。その際に1人暮らしの場合、仮に食料が十分であっても周囲から支援が受けられないと完全な隔離が難しいことがよく分かりました。 単身者も想定されたいい対応です。日本でも参考になるので、ご紹介します。
今回のまとめ:これからの日本の対応で参考になりそうなものは積極的に紹介します!
深圳地下鉄は2月16日から登録制になりました。登録にはスマホが必要なので、スマホがなければ、深圳地下鉄に乗車できなくなったようです。
私は公共交通機関による感染を予防するために2月17日の出勤開始からずっとタクシー通勤です。本日(3月5日)タクシーに乗って出勤しようとすると運転手さんからQRコードをスキャンし、登録するように指示されました。昨日まで毎日平日は2回タクシーに乗っていたのですが、指示されなかったので、気づきませんでした。移動中にスマホをいじっていたので、運転手さんが気を利かせたのかもしれません。
百度で検索してみると深圳のバスとタクシーは2月20日ぐらいから登録制を実施していたようです。恥ずかしながら、本日初めて登録しました。
今回のまとめ:深圳でいわゆる閉鎖式管理をしているマンションはスマホで「i深圳」(健康コード)への登録が必須です。
深圳地下鉄もタクシーもスマホで登録が必要になり、深圳ではますますスマホがなければ生活できない状況になっています!
2月17日「出勤再開の初日!」からタクシー通勤です。タクシー通勤自体は問題ありませんが、運転手さんの対策をまだご紹介していませんでした。深圳では下記の3つの対策が観察されました。
運転手さんによって全部を実施したり、(1)と(2)だけだったり、まちまちです。最近は少し(3)が減少したようです。深圳ではそのうち(3)がなくなってしまうかもしれないので、ご紹介しておきます。日本の運転手さんがするかどうか分かりませんが、参考になるかもしれません。
今回のまとめ:運転手さんが後部座席を定期的に消毒しているかどうかは不明です!
深圳は拡散が落ち着きつつあるので、税務局で手続きをしました。あちこちに中国語で「保持距離」が表示されていました。エスカレーターと階段は使用できますが、エレベーターの使用は不可でした。写真は13:40頃ですが、以前よりも人が少なく、社会的距離が意識されていました。
今回のまとめ:税務局は社会的距離がほぼ保たれていました!
税務局員はガラス仕切りの中で業務をしています。仕切りは天井までつながっているものと1メートルぐらいの高さのものが2種類です。どちらも座ったままで書類のやり取りができるように仕切りに小さな穴があります。
音声は聞き取りにくくなるので、双方にマイクとスピーカーがあります。写真1枚目の左上に見えるのは税務局員側のスピーカーです。
税務局員はもちろんマスク着用で、デスクにはきちんと消毒用アルコールが置いてありました。また84消毒液(Bleach)を散布してフロアーの消毒をしていました。
写真1-89の青いタンクを背負っている方が84消毒液を散布していました。
今回のまとめ:税務局はさすがに防疫対策がしっかりしています!
税務局の出入りはしっかり管理されています。入口と出口はそれぞれ1箇所しかなく、警備員がチェックします。スマホでQRコードをスキャンして姓名、携帯番号と検温の登録が必要です。すでに紹介しましたが、社会的距離と消毒は徹底し、集団感染を予防しています。
万一、集団感染が発生しても姓名と携帯番号があるので、経路不明にはなりません。集団感染を発生させないようにするのは当然ですが、発生しても対応できそうです。
今回のまとめ:集団感染があっても対応できるようにするのが効果的な防疫対策です!
先日所用で不動産登記所に行ってきました。政府機関に出向くのは4月9日深圳税務局以来です。
検温があるくらいで、税務局ほどしっかりと防疫対策はされていませんでした。目に付いたのは、窓口に設置された半円形の仕切りぐらいです。税務局よりは低コストでできる防疫対策です。書類は手を伸ばして半円の外側でやりとりします。
先週から地下鉄で通勤しています。2月17日(月)から5月8日(金)までタクシー通勤でした。2ヶ月以上経過し、深圳で拡散がほぼ収束していることもあり、家計支出を削減するために地下鉄通勤にしました。
以前「2月20日頃から深圳タクシーは登録制だった!」で紹介しましたが、深圳地下鉄は2月16日から登録制です。登録自体は非常に簡潔で、容易に登録できました。乗車賃も初めてQRコードを使用して払いましたが、全く問題ありませんでした。
先週から地下鉄通勤です。最寄り駅の始発は6時半で、通勤ラッシュは8時から9時ぐらいまでです。幸い弊社は時短勤務を実施しているので、朝は9時半が出社時間です。
地下鉄通勤をしている同僚は9時15分から9時半までに出勤しています。しかし私は8時までに出社で通勤ラッシュを回避しています。この時間は乗客が多くなく、どうにか社会的距離を保てます。写真は5月13日(水)7:36の「会展中心」駅です。
先週から地下鉄通勤です。夕方の通勤ラッシュは17時から18時ぐらいまでです。幸い弊社は時短勤務を実施しているので、夕方は16時半が退社時間です。
写真は5月15日(金)16:52の深圳地下鉄4号線に「会展中心」駅で乗車した際です。いつもより少なかったので、思わず撮影しました。普段この時間は1車両に10~20人ぐらいです。ちなみに出社時も朝7時に自宅を出られれば、同じくらいの乗客数です。
昨日は朝バタバタして、自宅を出たのが、7時半過ぎでした。写真は5月19日(火)8:00の深圳地下鉄1号線「車公廟」駅で下車した際です。朝のラッシュアワーに遭遇してしまいました。
駅のアナウンスは、社会的距離を確保するように指示していますが、そんなことをしようとすれば、駅から出られなくなるので、むなしく響いています。ほぼ全員がマスク着用なのが、せめてもの救いです。
雇用は公共投資でも創出されます。写真は一昨日の早朝に撮影しました。
6月になってから近所のあちこちで公共投資が実施されています。歩道の再舗装等の比較的に難易度が低いものが多いようです。
深圳は感染封込が継続しているので、政府の公共投資が本格化してきたと思っています。店じまい、まだ再開していない店舗では失業が発生しているでしょう。
雇用を創出することが、社会安定のために不可欠です。積極的な公共投資ができるようにするためにも感染封込は非常に重要です。
雇用は(軍隊への)入隊でも創出されます。写真は昨日の早朝に撮影しました。
居住マンション内に張り出されたのは、初めてではないかと思っています。
ネット検索の百度で調べてみると近年は毎年7、8月に募集し、9月に入隊しているようです。
【日本語抄訳】
2020年の入隊募集が始まりました。
一度入隊すれば、生涯特恵を享受できます。
若人よ、入隊の準備はできていますか?
強軍の夢 戦友の情
法律に従って兵役に服することは、公民の光栄な義務です。
(深圳市福田区)福田街道入隊募集事務室
雇用は公共広告でも創出されます。写真1-163は昨日の早朝に撮影しました。近所のバス停にありました。
広告をデザインし、印刷し、設置するには人手が必要です。バス停にはもともと公共広告があったと思いますが、今は公共広告が増えているようです。
バス会社にとっては公共広告でも広告収入になるのなら非常に大きな支えになるはずです。
【日本語抄訳】
- 2020年5月31日 世界禁煙デー 危険 喫煙者が新型コロナに感染すると重症になりやすい
深圳市は4月28日午前8時から深セン市の入境ゲートを経て中国に入境した者は、最終目的地に関わらず、一律深圳市において14日間の集中隔離医学観察(強制隔離)をしています。政府指定の強制隔離施設(ホテル)の宿泊費と食費は、自己負担です。
また当該期間には最低2回(一般に第2日目と第13日目に)PCR検査を実施し、どちらも陰性であることが強制隔離終了の条件です。
深圳は市内に1人で居住できる住所があり、居住地域のマンション管理事務所等の審査をパスできた場合に限り、7月13日からホテル2日間+自宅12日間(2+12隔離と略称)で強制隔離ができるようになったようです。
今後の状況で従来のホテル7日間+自宅7日間(7+7隔離と略称)に戻ったり、自宅隔離中止になる可能性は常にあるでしょう。
Wさんは7月10日に香港から深圳湾経由で深センに入境しました。
7月11日と7月22日に口から喉に綿棒を入れて採取するPCR検査(口腔咽頭拭い液)で2回陰性が証明されました。本日から強制隔離が解除されました。
深圳のPCR検査は翌日には結果が出ます。Wさんは文書ではなく、広東省で使用されている粤康コードに結果が反映されました。粤康コードは、2回目の陰性が確定した時点で赤から緑に変更されました。
Wさんは7月10日に香港から深圳湾経由で深センに入境しました。7月10日から7月15日まで政府指定の隔離施設に滞在しました。
深圳政府は7月13日から2+12隔離を実施したので、14日に微信で通知し、15日夕方にほぼ強制でWさんを自宅隔離としました。自宅が福田区にあったので、政府指定の隔離施設は「維也納酒店(福華店)」でした。
「維也納酒店(福華店)」は、専用隔離施設にされており、写真からも分かりますが正面の出入り口が封鎖されていました。警備員数人が常駐しており、ホテルの出入りも厳しく管理されていました。
百度で調べてみると平均RMB299元(約4,582円)/泊~でしたが、自己負担はRMB230元(約3,525円)/泊でした。
7月10日から7月15日まで政府指定の隔離施設(ホテル)に滞在しました。食事はRMB100元(約1,533円)/日で隔離施設から3食を提供してもらえます。
写真は昼食で感覚的な内訳は朝20元、昼40元、夜40元だそうです。滞在中は深圳政府から毎日無料で果物の差し入れがありました!
それから、食事はネット経由で出前もOKです。ホテル裏口の職員用通路が唯一の出入り口のようでした。そこにひっきりなしに美団等の出前会社が食事を届けていました。出前は隔離施設の出入り口で職員が一旦受け取り、各部屋に届けるそうです。
深圳は広東省に位置しているので、健康コードは粤康コードを使用する選択肢もあったはずですが、独自のi深圳をかなり早い段階から導入していました。当初はi深圳に若干の不具合があったように思いますが、動作不良はすぐに改善されました。さすがは中国を代表するIT企業・テンセントの本社所在地だけあり、健康コードだけでなく、地下鉄やタクシーの登録制度をITを応用して短期間で作り上げたのはお見事でした。
強制隔離14日間も一律で処理するのではなく、お年寄りや小さなお子さんがいる場合、地域のマンション管理組合等と連携し、自宅隔離が可能かどうかを事前審査した上で個別に自宅隔離をかなり早い時期から実施していた点も評価できます。この試みは次のステップとしていわゆる7+7隔離、2+12隔離へと徐々に緩和する流れを作り出すことにもなりました。隔離者に毎日果物を差し入れるサービスも健康に配慮したとてもいい気配りだと思います!
防疫だけでなく、経済にも対応しています。特に雇用創出のために公共投資、入隊募集と公共広告で下支えする経済政策は評価できます。