深圳見聞

家計支出で考える需要の変化!

内田真人

2020年7月15日

5月13日「家計支出で考える需要の変化!」

公共交通 < 自動車」

 需要の変化を予想する場合、消費の変化は指針になります。

 倹約するために家計簿をつけています。我が家にとって最も負担増になったのは、タクシー代です。2カ月半のタクシー出勤で41,652.1円の負担増になりました。居住地域には30階建て以上のマンションが10棟以上あります。中国人の所得水準ですと中産階級で若干収入に余裕がある方々が多数です。そのため現在もタクシー出勤をする人が少なくありません。地下鉄駅は歩いて5~10分程度なのにタクシー乗り場にはかつてないほどタクシーの行列ができています(写真1-109参照)。

 いつまで継続するかは分かりませんが、公共交通は敬遠されるでしょう。ちなみに2月から4月に徐々に1日当たりのタクシー代が上昇しましたが、これは朝夕の交通渋滞が徐々に復活してきたからです。地下鉄は1日6元ですが、タクシーは4月に1日60元以上になってしまいました。毎日の交通費が10倍以上になりました。小さな問題ですが、私のような庶民も安全と経済のバランスに苦悩しています。

写真1-108:新型肺炎による出勤支出の変化(2020年2月~4月)

新型肺炎による出勤支出の変化(2020年2月~4月)

写真1-109:居住マンション最寄りのタクシー乗り場

居住マンション最寄りのタクシー乗り場

外食 < 自炊

 我が家でタクシー代は41,652.1円増でしたが、外食代は23,370.66円減でした。

 外食代はほぼ平日の昼飯代です。2月から弁当持参にしたので、2月と3月は外食代がゼロになりました。4月は深センの感染状況がだいぶ落ち着いたので、週末6回外食をしました。

 4月10日(金)夜が防疫期間の初めての外食でした。近所の半露店のお店で、羊肉の串焼きを嫁と5回食べました。半露店なので換気が不要で、目の前でマスクをしながら焼いてくれ、若干安心感があります。店主が嫁さんと同じ中国東北地方出身であることは5回も食べに行った理由の1つです。

 一般的な料理屋で初めて食事をしたのは4月26日(日)でした。過去3年間の2月、3月、4月平均外食代23,370.66円から2020年4月外食代5,576.38円を差し引くことを考慮しましたが、2020年4月外食代は限りなく交際費に近いので、差し引きませんでした。

 しばらくは弁当持参を継続します。飲食店は非常に厳しい状況が継続します。

写真1-110:新型肺炎による外食支出の変化(2020年2月~4月)

新型肺炎による外食支出の変化(2020年2月~4月)

その3 フォーマル < カジュアル

 我が家のクリーニング代は8,687.01円減でした。

 1月まで会社にはフォーマルな服装で出勤していたので、クリーニング代を支出していました。2月から毎日洗濯可能なカジュアルな服装での出勤が許可されました。そのため2月から4月までクリーニング代が発生していません

 4月30日にクリーニング屋さんから連絡があったので、5月初旬にクリーニングをお願いして受け取っていなかった服の受け取りと毛布のクリーニングをお願いしました。

 今年はスーツを着る機会が激減するので、スーツを新調することはなさそうです。また買い置きがあるのでワイシャツを購入することもなさそうです。

 運動不足は免疫力の低下になりますし、フォーマルな服が着られなくなることが心配です。安全と経済の両立のために先週からウォーキングを再開しました。

写真1-111:新型肺炎によるクリーニング支出の変化(2020年2月~4月)

新型肺炎によるクリーニング支出の変化(2020年2月~4月)

持ち家 < 賃貸

 我が家はタクシー代、外食代とクリーニング代に大きな増減がありました。タクシー代は41,652.1円増でしたが、外食代23,370.66円減、クリーニング代8,687.01円減でした。

 これら増減を集計すると2月から4月までで9,594.43円の負担増です。幸い若干の貯えがあり、私も嫁も失業しておらず、9,594.43円の負担増ですぐに困窮しません。

 しかし、住宅ローンを毎月約236,500円支払っています。住宅ローンをまだ10年以上支払わなければなりません。恥ずかしながら、住宅ローンを始める際に今日のような状況になることは考えていませんでした。

 私も嫁も40代ですが、今後10年数年少なくとも現在の年収を維持できるか分かりません。このように考えると家計支出をできるだけ削減するしかありません。つまり、我が家の場合、家計支出を考えると最も大きな負担は、住宅ローンなのです。

 最も大きいな負担である住宅ローンを節約したいですが、できそうにありません。これまで漠然と持ち家が有利だと思っていましたが、賃貸にもメリットがあることに改めて気づきました。別の言い方をすれば、「買って所有」するのではなく、必要な時にだけ「借りて使用」することの利点です。

 賃貸は家計支出を削減したければ、住宅ローンよりも容易に抑制できます。もちろん住宅ローンの支払いがない持ち家の方が、家計支出上、最も有利なのは言うまでもありません。


賞与

 我が家は住宅ローンの支払いがあるので家計支出をあまり増大できません。

 結論としてタクシー出勤を断念することにしました。5月11日(月)から地下鉄で出勤しています。

 上記から我が家のMust支出の変化が分かります。変化なし、或いは変えられなかったのは住宅ローンです。家計支出は我が家の消費ですから、防疫期間に我が家の需要は大きく変化しました。

 これまでは家計支出のみを検討しましたが、家計にももちろん収支があり、収入も支出に影響

 私はコンサルティング会社の営業職ですが、比較可能な過去5年間の2月~4月の営業成績と比べて今年は最悪です。2015年~2019年までの過去5年間の営業成績で実は昨年が過去最高でしたから落差が大きいこともダメージです。

 今年はこのままでは過去最低になる可能性があるので、当然賞与は期待できません。幸いに失業しなくても年収が減少する可能性が高いのです。つまり、年収減少もタクシー出勤を断念する理由の1つです。

 我が家の家計を具体例として2020年5月以降の家計支出をMustとWantに区分しました。

 中国広東省の新型肺炎がこのまま収束してくれれば、我が家は引き続きWant支出を削減します。一般的には必需品をMust支出、奢侈品をWant支出と言い換えてもかまいません。

 奢侈品のWant支出が減少し、相対的に必需品のMust支出の比率が高くなるという方がより正確でしょう。

 今後も安全重視ですが、家計収支を無視することはできません。我が家の持久作戦も財布と相談しながら新生活様式を試行錯誤します。

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